今回はプロテインを飲むことでボイストレーニングにどのような影響があるのか否かについて解説をしていきます。
ボイトレとプロテインの関係性
まずプロテインとは何か?
プロテインは、主にタンパク質を豊富に含む栄養補助食品です。
タンパク質は筋肉の成長や修復に不可欠な栄養素であり、スポーツ選手や筋トレを行う人々にとって重要な役割を果たします。
しかし、プロテインが全ての筋肉に均等に作用するわけではなく、特に小さな筋肉群に対してはその効果が限定的であることが指摘されています。
ボイトレにおけるプロテインの役割
ボイストレーニングは、呼吸や発声に関わる筋肉のトレーニングです。
プロテインは筋肉量の増加を助けるとされていますが、声帯周りの筋肉は非常に小さく、プロテインによる直接的な影響はかなり限定的であると考えるのが一般的でしょう。
声帯周りの筋肉は、約1cm程度の大きさしかなく、大きな筋肉群に比べてプロテインの効果はほとんどないといっていいと思います。
また声帯の筋肉にプロテインがどれだけ効果的に作用するかについては、明確な研究結果がまだ存在しない状況です。
プロテインの効果とは
多くの人々は、プロテインを摂取することで筋力が自動的に向上すると考えがちですが、これは誤解です。
プロテインはあくまで栄養補助食品であり、筋肉増強剤ではありません。
筋肉の成長には、適切な運動やトレーニングが必要であり、プロテインはその補助的な役割を果たすに過ぎません。
ボイトレの場合、声帯の筋肉をプロテインを飲んで鍛えていくというような直接的に鍛えるよりも、正しい発声技術の習得や継続的な練習がよりはるかに重要であると言えるでしょう。
家でもできるボイストレーニングの方法については事項でご紹介したいと思います。
自宅でもできるボイストレーニング集
1. 腹式呼吸

- 方法: 姿勢を正して立ち、お腹に手を当てます。息を吸う際にお腹を膨らませ、息を吐く際にお腹を凹ませます。この練習を繰り返します。ここで紹介する中では一番筋トレ的です。
- メリット: 声量が大きくなり、疲れにくくなり、喉を傷めにくくなります。
音楽も大は小を兼ねるので、大きな音と小さな音の差をうまくコントロールしていくことが抑揚や表現力につながります。
2. 音程トレーニング

- 方法: 今は無料でピアノやギターの音を出せるスマホアプリがあるのでそれらを利用しながら楽器と同じ音を出す練習をしましょう。
音階を上げたり下げたりしながら、慣れてきたらランダムで音を出し、その音が何か当てる練習をしましょう。 - メリット: 性格な音感を身につく。相対音感を育むにも最適な練習です。
3. リズムトレーニング

- 方法: メトロノームを使用し、一定のリズムで手をたたいたりと表拍と裏拍を意識しながら練習します。
- メリット: 正確なリズム感を養うため。リズム感は生まれながらのセンスの影響も結構大きいといわれていますが、練習次第でいくらでも改善できると私は思っています。
4. 早口言葉
- 方法: 早口言葉を使って滑舌を鍛えます。最初はゆっくりとはっきりと発音し、徐々にスピードを上げていきます。また全体的に口を動かすものが良いと思います。
- 具体例1:生麦生米生卵(なまむぎなまごめなまたまご)
- 具体例2:赤パジャマ青パジャマ黄パジャマ
- 具体例3:らりるれろ、りるれろら、るれろらり、れろらりる、ろらりるれ(口の体操)
etc… - 目的: 歌詞の明瞭な発音と滑舌の向上。あえて言葉をハッキリ言わないのも歌唱表現の一つではありますが、ハキハキしゃべることができれば日常生活にも役立ちます。
5. ハミング

- 方法: 口を閉じて鼻で息を吸いながら、低い声から高い声までハミングします。
- 目的: 声帯のウォーミングアップと音感を磨くことができます。
6.ストロートレーニング

方法:ストローをくわえる。上下の歯はくっつけず、ストローを噛まないようにして、唇のみでストローをくわえて口の中に空洞を作る。
数回呼吸を繰り返す。鼻から息を吸うのではなく、ストローで呼吸をし、そしてハミング同様低い声から高い声を出します。
目的:
お腹から息を吐き出すイメージを自然に身につけ、息の量を増やし、声を長く伸ばせるようになる。
ストローをくわえて行うことで、胸から上に力を入れることができず、お腹にしっかりと圧がかかる。これにより、お腹で支えて息を吐き出し、声を出す感覚を身につけることができる。
喉や肩に力が入ってしまう場合は、歯を噛み合わせてしまっているか、力が無駄に入っていることを意味する。このトレーニングでは、しっかりと空洞を作り、お腹で支えて息と声を出すことが重要。
7.タピオカハイトーン
方法:
- 準備: タピオカ用の極太ストロー(10mm以上)と500mlの水ペットボトルが必要です。水の量はボトルの約7割に調整します。
- 実践: ストローを水に約3cm差し込んだ状態で、ストローを通して歌います。このプロセスでは、息の吸い方や吐き方を調整し、細かい振動を発生させながら安定した高音で発声します。
目的:
- 高音の発声: タピオカハイトーンの主な目的は、力を抜きながら高音を発声を身につけます。
これにより、発声時の負担を減らし、より自然でクリアな高音を出すことが可能になります。 - 発声の改善: この練習法は、声の出が良くなるともされています。ストローを通して歌うことで、お腹からの発声を自然に促進し、ミックスボイスの練習にもなります。
これにより、全体的な声質が改善され、綺麗なハイトーンの発声が容易になります。
詳しくはこちらの動画を参考になさってください!
ボイストレーニング教室に通い、プロに教わる
コロナ渦を経て、現在ではオンラインレッスンを行うボイストレーニングスクールも増えてきています。
個人としてはボイストレーニング教室に直接足を運んで、直接的に講師の方に指導していただくほうがはるかに効果的とは思いますが、近くに通える教室がない。
時間が取れないという方はオンラインも検討されてみてはいかがでしょうか。
下記の記事でおすすめのボイストレーニング教室を紹介しているので、よろしければご覧ください。
また「筋トレをしないとプロテインを飲む意味はない」という方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
健康補助にもプロテインを飲むことは効果があります。
下記の記事では効果的な飲み方を紹介しています。
まとめ
ボイトレにおいてプロテインの摂取は、直接的な効果を期待するよりも、全体的な健康維持や体力向上の一環として考えるのが妥当でしょう。
声帯周りの筋肉を鍛えるには、継続的な練習や専門的なボイトレーニングが最も効果的であり、
プロテインは直接的に声帯周りの筋肉発達への影響はそれほどないと考えられます。
ただ声を出すこと、歌うことは身体の健康が大きく関係するので、健康維持のために日常的にプロテインを飲むことは巡り巡ってボイストレーニングにも影響をあたえるかもしれません。
コメント